RUNだむ日記+plus!

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雨に濡れた金沢マラソン2017(Part 1)

6月に金沢マラソン2017の当選メールが舞い込んだ。

10月末のこの時期に、休んでる場合ではない仕事があったんだが、ちょっと無理して休みをとった。マラソン翌日の月曜日まで休むことはけっこうあるが、火曜日まで休みを伸ばしたのは初めてだ。ホテルをおさえる際、金沢を訪れることはそうそうないんだから、走ったあとはフツーに観光客として街歩きしてもいいんじゃないか? 月曜日に帰ると何も観光できないよ? 金沢グルメも地酒も堪能できないぞ?  茶屋街や美術館に行くのも無理? 金沢の女(ひと)と仲良くなる時間だって足りないじゃないか? と、5分くらい悩んで、後泊2日を追加したのだった。ホテルと飛行機をとってしまえば、仕事は先延ばしと前倒しで乗り切るしかない。

 

というわけで、10月28日土曜日、道民だけど新千歳空港弟子屈ラーメンを食べた僕は、定刻どおり機上の人となった。数日前から金沢の天気予報は見ていたが、チェックするたびに天気が悪くなっていた。千歳は曇りだったが、雲の上は良い天気。当たり前だが。座席はちょうど翼の上だったから文字どおり鳥になったような気分だ。そんなに大きな翼ではないので、眺めもいい。
 
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新千歳空港弟子屈ラーメン/機上の眺め
 
読みかけの吉田修一「怒り」を少し読んだあと、機内誌を開くとそこにも吉田のエッセイが載っていた。若い頃に諸経費込みで20万円のボロ車を箱根で廃車にした話だった。僕が初めて買った車はさらにもっとボロで、友人経由で5万円で買ったモノだったが、半年で廃車になったことを思い出した。
 
小松空港が近づくと翼の一部が開いたり閉じたりしてパタパタと働き始めた。
海が見える。田圃が広がる。街が近づいてくる。が、しかし。雨だ。暗い。前途多難の前ぶれか。翼は目一杯、制御をかけて飛行機を無事に着陸させた。今日の操縦士も腕はいいようだ。
 
人生初小松空港である。リムジンバスに乗ると最前列が優先席だった。当然遠慮して後方の相席にしたのだが、あとから来て、満席で補助席に座っていた若者二人が出発の際、運転手に促されてその優先席に座りやがった。ま、仕方がないか。
北陸自動車道日本海沿いを快適に走る。パーキングエリアの松任海浜公園は見晴らしが良さそうだが、天気の良い日に来たかったな。
 
夕方5時頃ツイッターを見ると、某女子が出場予定の横浜マラソンが、なんと台風22号の影響で中止になったと嘆きのツイート。さぞかし悔しかっただろう。僕の金沢マラソンは大丈夫なのだろうか?
 
 
50分ほどで金沢駅に着いた。駅隣接の受付、石川県立音楽堂交流ホールでゼッケンやTシャツを受け取り、ブースを冷やかしながら、試食やゴール記念撮影などで遊ぶ。台湾人のマラソンツアーランナーがたっくさん来ていた。その後、夕食場所を探してうろうろ。けっきょく金沢カレー総本山のゴーゴーカレーでカツカレーを食べた。キャベツの千切りがたっぷり添えてあってボリュームもあり、もちろん旨い。
 
初日の宿、ホテルエコノ東金沢(そこそこ遠い)へのバスに乗ろうと思ったら、行ったばかりでしばらく待つことになった。晴れてりゃ歩いてもいいんだが、荷物もそれなりに重いから駅中の座れるところで本を読んで40分時間をつぶした。
マラソンの案内パンフに市内の銭湯無料券が付いていたので、天気が良ければホテルにチェックイン後、近くの「梅の湯」に行こうと考えていたが、時間がなくなったのでやめた。狭いけどホテルの部屋の風呂で我慢することにした。ゼッケンをつけたり、明日の朝の準備をしていると、あっという間に11時を過ぎてしまう。いつもは10時頃が僕の就寝時間なんだけど。
 
翌朝はアラームを5時過ぎにセットしていたが、その前に目が覚めた。隣の部屋の人が朝風呂に入ろうとしているようだ。今日はずっと雨に濡れるから、せめてカラダを温めておこうかと考えて、自分も真似して入ることにした。
 
7時9分のバスに乗るのだが、朝食後ホテルを出たのは7時4分だった。バス停はホテルから数分。つまりちょっとは走ったほうが良さそうだ。霧雨程度だしウォーミングアップだと思えば問題ないが。しかしバス停の少し前で、バスは僕を追い越していった。あわわ、あわてて追いかけたが、幸いバス停には、ほぼランナーがなんと30人くらい並んでいて助かった。だが、ほっとしたのもつかの間。どうしたんだ。先に乗った方たちがゾロゾロ降りてくる。どうも行先が違う別のバスだったようで、まもなく到着した次のバスに全員乗りこんだ。
 
ところが市街は渋滞だった。一つ前で降りた方がいいと運転手が親切にいうので、ほとんどのランナーはそこで降り、ぞろぞろと歩いて会場を目指したのだった。
 
スタート会場は兼六園近くの石川四高記念公園である。何かあっては困るので一本早めのバスにしたものの、これと言ってやることがない。ゼッケンも前夜つけてあるし、着替えもすんでいる。トイレもホテルでしてきた。雨なのでストレッチもウォーミングアップもほとんどやる気がしない。知り合いがいないので話をすることもない。テントや建物の庇はすでにランナーでいっぱいだ。雨具をかぶり、手荷物を預けてぼーっと整列時間を待った。
 
スタートのブロックはAからKまであり、僕はFだった。目の前にパワースーツのようなウェアを着たランナーがいたので話を聞いたら、昨夜その仮装の準備で寝るのが遅くなってしまったと言う。天気が良ければランプを点けることもできるそうで残念そうにしていた。僕もその光る奴を見たかった。
 
この大会には、ペースランナーが3時間からなんと15分刻みで、なんと6時間まで設定されている。風船を付けているので割と見つけやすい。号砲が鳴ってからスタートラインを越えるまで7分半かかった。その後もしばらく渋滞が続くが仕方がない。ウォーミングアップしてないからちょうどいいかもしれないが。
 
コースは、スタート直後に金沢城公園と兼六園の間をとおり、歴史的景観を抜けて市中心街へ向かう。沿道の応援がすごい。勇壮な和太鼓、着物姿の綺麗なお姉さん、神輿、ブラスバンドよさこいソーラン、玉すだれ、チアリーディング、ほくりくアイドル部、数十もの少年野球、ミニバス少年団。
 
それらに加えて地元企業と一般の声援がフィニッシュまでほぼ途切れない。給食も和菓子や金沢カレー、スイーツなど地元色が豊富。僕が食べたのは能登の練り物とバナナだけだけど、どんだけおもてなししてくれているのやら。
北部の田園地帯から西部の新都心を駆け抜けるまで切れ目なく延々と応援してくれる。これが晴れていればもっと楽しいのになあとは思うものの仕方がない。雨はやんでいる時間も少しあったが、ほぼ降り続けた。
 
僕のランのほうについては、相変わらず今回もパッとしないものだった。30kmくらいまではキロ6分から6分半だったが、終盤はみるみるペースが落ちていった。
途中かかとが擦れて痛くなってきたのもある。ソックスのその部分がよれてるのかなと思い立ち止まって直そうとしたら真っ赤に染まっていた。シューズが真っ赤なので色落ちしたのかとも考えたが、それにしては赤いのはかかとだけだ。これはつまりわかりやすく言うと靴擦れというやつだ。とくに左がひどいが、両かかとともにやられていた。このシューズでは32kmのランを2回やっていたので大丈夫だと思っていたが、雨だとそうではなかったようだ。
 
沿道のおばさんたちが「あれー、大丈夫?」と心配してくれた。大丈夫ではないが、ここでやめるわけにもいかん。僕はまた走り出したが、4時間45分ペースランナーにも抜かれた。なんとか、せめてこの夏の函館マラソン(ネットタイム4時間59分)のタイムくらいはクリアしたいと粘った。
 
フィニッシュタイムは5時間3分14秒、ネットタイムは4時間55分49秒だったので、函館よりもちょっとだけだが良かった。
ゴール後は大判タオルをかけてもらい、お味噌などいくつかの景品と完走証を受け取った。着替えを済ませ、シャトルバスで金沢駅まで送ってもらう。
 

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痛々しいかかとの血/ま、完走したからいいかというゴール写真

 
日曜と月曜のホテルは、金沢駅前のルートインホテルなので歩いて数分だ。4時からサッカーの試合(コンサドーレvsアントラーズ)がテレビで入るので、さっと風呂を浴びた。残念ながら先制され、同点までは追いついたが、けっきょく負けてしまった。
 
夕飯は日本酒を飲みながら金沢らしいものをと、雨だけどふらふらと街へ出てGOENという居酒屋に入った。刺身で地酒をいただく。店の方とマラソンや北海道観光、函館の話で盛り上がり、締めの鯖へしこ茶漬けを食べてホテルへ戻った。体はクタクタだったし眠たかったが、風呂に浸かってからベッドに入り、マラソンの反省をする間もなく気を失った。(たぶん、続く)