RUNだむ日記+plus!

還暦過ぎて腰も痛いので、よろよろ走ってます! RUNだむ日記【Returns!】もあります。

ルヴァンカップ決勝とゴッホ展と旅のラン品川 その3

日曜日の朝は7時から走りに出た。 

長男の部屋は品川区南大井なので海が近い。なので、海の方向へ走ることにした。といっても東京湾まで出る時間はない。とりあえず「しながわ水族館」へと向かう。旅のランなので、ゆっくりキョロキョロときどき立ち止まるので、距離はさっぱり稼げないがそれでいいのだ。
しかしとにかく真っすぐな道が少なく、道路が札幌のように碁盤の目にはなっていない。中に入ると狭い道が多い。グーグルマップをときどき開きながらもなかなか最短距離ではいけない。散歩みたいなものだから、それでもまあいいんだけども。
しかも水族館の敷地内は規模の大きい工事中なのでフェンスが多く、そのため通路が迷路のようになっている。やむを得ないとはいえ景観を壊す重機類も散見されるので、気持ちのいい写真を撮れなかったのは残念である。もちろん営業時間外だから館内は入れないし。
 

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水族館敷地内にいた川鵜

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つぎに「大森ふるさとの浜辺公園」へと向かうことにした。「東京ガス大森グランド」のすぐ隣にあり、サラサラの砂で400メートルほどのきれいなビーチである。ちょっと海外のリゾート地っぽい感じもする。文字どおり浜辺で水遊び程度はできるが遊泳は禁止らしい。夏なら水着になって日光浴ができるし、大きなパラソル型の東屋がいくつも並んでいて、気持のいい日陰をつくってくれるのだろう。ビーチバレーコートやフットサル場や多目的スポーツ広場、レストハウスなども併設されていて一日遊べそうなエリアになっている。天気のよい日曜日の朝だからかもしれないが、走っている人はけっこう多い。もちろん僕も砂の上を走ってきた。ほどよく締まった砂なので、ランニングシューズで走っても気持よく走れた。
 

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だが、そんな暢気なことを言っている場合ではなかった。ふと時間を確かめると予定の時間を大幅に過ぎていた。8時15分くらいまでには戻ろうと思っていたのに、すでに8時を回ってしまっていた。ここまで4.4kmほど走ってきたが水族館敷地内ぶんを引くとたぶん帰りは4km弱。ゆっくりジョグしている場合ではない、すぐに戻らねばならない。しかし急いでいるときほど赤信号にはひっかかる。マンションに帰ったのは8時40分くらいだ。それから大急ぎでシャワーを浴び、髪にドライヤーをかけて乾かし、9時過ぎには荷物を背負って息子の部屋をあとにした。昨日のうちにリュックを整理しておいたのが功を奏した。とりあえず小走りで駅へ向かう。
 
僕は方向音痴なので、グーグルマップを見ていても方向が分からなくなることがある。おおむね方向は間違っていないはずだが、途中に交番があったのはたすかった。僕よりも強そうな婦警さんは、分かりやすく大森海岸駅への道順を教えてくれたのだった。京急蒲田駅で降りるところまではまだ良かった。ここから羽田空港国内線ターミナル行きに乗れれば問題はなかった。ところが、どこをどう間違ったのか自分でもよく分からないのだが、成田空港方向の電車に乗ってしまった。乗降ドアが閉まったときから何か嫌な予感がして、おもわず近くにいた若い男性に「これって羽田に行く?」と訊いてみた。するとかなり困った顔をして「あ、え、と・・・ぼ、ぼくは平和島で降りるので、よく分からないんですけど、すみません」とあらぬ方向を見て答えてくれた。たぶん、行かないのは知ってたはずだと思うが彼を責めても仕方がない。そもそもドア上の行き先表示が「成田空港」とあったし。
 
けっきょく元の京急蒲田までもどって、あらためて羽田へと向かったが、いくら焦っても待ち時間は僕を考慮してはくれないし、電車も定刻どおりにしか動かない。もし乗り遅れてもバリュー3だから払い戻しもダメなのかな。思わず財布を覗いたがキャッシュカードは入れてないし、現金は3万数千円しかない。万が一のときはこれでチケットは買えるのか。空港に着いたのはすでに10時だった。エア・ドゥ019便は10時15分である。保安検査場は20分前までに通過しなければならないからすでに5分オーバーだ。それでも一縷の望みをかけて検査場へと僕は走った。するとeチケットはとくに問題なく、そこは通過できたのである。必死の形相をしていたからだろうか。
 
それから搭乗口をさがす。近くの係員に訊いたほうへ走っていると、放送が入っていることに気づいた。詳しくは聞き取れなかったが、なんと僕が乗る便はどうも遅れているようなのだ。きっと日頃のおこないが良いおかげだろう。シャトルバスで機体のところまで乗っていくらしいので、いわゆる搭乗口はバスラウンジになるのだがその場所がよく分からなかった。奥のほうまで行ってコレは違うなと、慌ててもどりつつ近くにいた女性係員にたずねると、チケットを一目見てすぐにどこかへ連絡を入れ、スカートとパンプスを履いているというのに先導して走ってくれる。搭乗口の女性係員に僕のチケットを手渡すと、その女性もまた一緒に走ってくれた。まるで駅伝だなーとか思っていたが口には出さなかった。機体も変わり座席も変更になっていることは走りながら係員の方が教えてくれた。空港係員はたいへんだ。日ごろのランニングやエクササイズは欠かせないであろう。こんなアホがときどきいるばかりに。
 
とうぜんバスの最後の乗客は僕だった。申し訳ない。ちょっと遅れてしまった。バスは満席で立っている方もいた。
搭乗すると機内ではすでに多くの客が着席していた。僕の隣の席にも女性が座っている。リュックを上げて自分の席に座るとさらに汗が噴き出した。しまった。ハンカチは2枚ともリュックに入れていたのだった。そのためにまた立って隣の方を煩わせるのは気が引けた。仕方がないのでコサッシュにあったティッシュで額と首の汗を拭った。3枚しかなかった。着席中は汗臭さをすこしでも静めるように大人しくしていた。こんなことなら大急ぎで朝のシャワーを浴びても意味がなかったのではないか。そんなことはないか。朝ランの復路はふつうに走ってしっかり汗をかいていたのでシャワーなしはやっぱりだめだ。シートベルトランプが消えると飲み物のサービスがあったので、ジュースをいただいたあと、お茶もおかわりした。機内ではiPadでブログの下書きをしていた。
 
空の上で取りかえしたのか、新千歳空港には本来の到着時刻の5分遅れくらいで着いたようだ。お昼過ぎには空港のフードコートで、コーンをトッピングしたみそラーメンとクラッシック生を美味しくいただき、ツイッターにアップしたりした。旅の様子をブログにおこすときは、この場所でもタブレットを開くことが多いのだ。しかし、iPadを取り出そうとすると、それはどこにもなかった。リュックの底までちゃんと探したがない。そもそもリュックに入れたのか手で持っていたのかも憶えていない。今日はどんな日なのか、こんどはiPad紛失だ。だが、降りてからの行動を思いおこすとトイレに寄って、ラーメン店でみそラーメンと生ビール注文をして、席を確保しただけだ。つまりトイレに忘れたか、座席に忘れてきたかのどちらかだ。残りのビールをいっきに飲み干し案内所に行ってみると、飛行機の忘れ物は乗ってきた飛行機会社のカウンターに行ってくださいとのこと。そりゃ当たり前だ。エア・ドゥカウンターへと走る。
 
今日は一日走ってばかりだ。係員にチケットを見せて事情を話すとすぐに調べてくれ、間もなくその座席にそれと思われるものがあったとの返事。とりあえずほっとしてぬいぐるみのベアドゥと一緒に待っていると、019便のC.Aと思われるきれいな女性が僕のiPadを手にしてカウンターにきてくれた。それが僕のものである証明をしなければならないので、指紋認証でそれを起動させたのち、ありがとうとお礼を伝えた。
  

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とはいえ、どどどどどーっと疲れた。気持がへとへとへとだ。このままでは帰れない。ふたたびフードコートにもどる。あらためて生ビールをもう一杯注文した。あー、これは個人的な高齢化社会の危機であろうか、大丈夫か俺。
 
(おしまい)