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ルヴァンカップ決勝とゴッホ展と旅のラン品川 その2

昨日の大雨が嘘のように、翌朝(10/26)の空はすっきりと晴れた。サッカー日和だ。

 

ルヴァンカップの決勝戦は、北海道コンサドーレ札幌川崎フロンターレ。札幌はそもそも決勝進出が初めてであり、川崎は4度目の決勝戦だが優勝はない。どちらが勝っても悲願のルヴァン・カップ初優勝である。ただし川崎はJ1リーグ戦を連覇しており、その他のカップ戦等のタイトルをとったこともある。札幌はそれらがない。昨年、ミシャが監督となりJ1で4位という過去最高の成績をおさめたが、J2とJ1を行ったり来たりするエレベータークラブと揶揄されていたクラブなのである。過去から現在までのチーム力は圧倒的に川崎が上ではある。とうぜん前評判も優勝確率は川崎7に対して札幌3くらいだったのではないだろうか。もちろん一発勝負の決勝戦だから何が起こるかは誰にも分からないし、それでも札幌サポーターは全員が優勝を信じていたはずである。

 

人生初すき家で息子と朝定食を食べ、スタジアムでの昼用サンドイッチなどを西友ストアで購入し電車に乗った。息子のチケットも用意してあるので一緒に観戦するのだ。彼はもちろん道産子だが東京で仕事をしている。サッカーにはさほど興味はないが親の強権で一緒の観戦とした。部屋を出るときから僕もレプリカ着用だったが、途中駅や乗換駅などで赤黒レプリカユニ姿のサポーターが少しずつだが乗りこんでくる。青いレプリカユニもどんどん増えてくる。浦和美園駅で降車すると他車両からもどっとサポーターが吐き出された。駅を出て徒歩でスタジアムへ向かう。道路は歩行者専用となっており美味しそうな屋台がずらっと並んでいる。道路脇には多くの幟が立ち、ルヴァン・カップ歴代優勝チームの装飾も施されており、両チームのサポーターが世紀の決戦を前に興奮を抑えきれない様子でぞくぞくと歩いている。赤黒と青が目に痛いほどである。

 

コンサドーレホームチームサイドで、バックスタンドスタジアム北側だ。僕らの席はSB指定席のセンター寄りで、しかもピッチに近いのに全体も見やすい良席だった。暖かい日差しもあり最適なコンディションのサッカー観戦である。メインスタンドの赤い階段と表彰ステージが鮮烈だ。あの舞台に融けこみながらもカップを掲げて立つ赤黒の選手たちが目に浮かぶ。生ビールがサッポロ・クラシックでないのは残念だが、天候に恵まれたおかげで美味しいビールがたくさん飲める。

 

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試合開始前からの両ゴール裏を中心とした大声援は、決勝という特別な空気の中でスタジアム全体を揺るがしていた。まるでラグビーワールドカップで見たオールブラックスのハカやサモアのシバタウのように、サポーター同士の意気を示す合戦の様相もあった。選手の練習もふだんの試合とは明らかに違う何かがあった。

 

そして試合開始の笛が鳴り想像を絶する激戦の幕が開くのだが、そのサッカーの試合展開をなぞり、適切に解説したり劇的に表現する力量は僕にはない。

先制点を奪ったのは札幌であり、それがユース出身の菅だったこと。前半も後半も得点の奪い合いになり、後半アディショナルタイム終了間際のラストプレーで得点した深井もユース出身である。福森のコーナーキックからの強烈なヘディングで奪ったものだった。どちらも道産子だ。

 

赤黒のコンサシャツを着てはじめは居心地悪そうにしていた息子も、得点とかチャンスの際や追いつかれたり追いついたりするする展開にはまり込み、そのたびに歓声や悲鳴をあげていた。会場のボルテージに興奮していたのは、決勝という独特な雰囲気がそうさせていたのだろう。

そして激戦は延長戦へと突入した。札幌は、川崎の谷口がレッドカードで退場して得たフリーキックで、福森が芸術的に直接ゴールネットを突き刺して先に得点する。これを守りきれば優勝カップをつかめたはずだったが、そうはいかなかった。延長後半にまたもや追いつかれ、けっきょくPK戦となり試合は3-3(PK4-5)での残念すぎる敗戦となってしまった。

 

こうして劇的な同点弾や最後のPK戦など一瞬たりとも目の離せない、本当に見ごたえのある一戦になったルヴァン・カップ決勝。負けたくないといった守備的な試合の入りだったり、相手のミス待ちといった消極的な決勝ではなかった。どちらも自らの良さである攻撃的な試合だったので、お互いの選手やサポーターの魂の一戦だったと思う。

先日のラグビーワールドカップで日本中をにわかファンにした日本代表の熱くて激しい試合に負けず劣らず、ルヴァン・カップ勝戦として歴史に残る試合といっていいのではないか。

 

記者が書いたもうすこしマシな記事はこちらで。

www.nikkansports.com

 

じつはビールを買うために売店の列に並んでいるとき、すぐ後ろの川崎サポーターと話す中で「僕が埼スタに来ると、勝ったことないんですよ〜」と言っていたので、コレはこの試合もらったな! と油断した僕のせいで負けたのかもしれない。あー、すみません。ごめんなさい。

 

戦い済んで日が暮れて。

僕らは都内にもどり、居酒屋で祝杯ならぬ惜杯をあげ涙を拭き、長い一日の幕を降ろした。そしてまた来年のこの日が来るようにと、夜空の星に願いながら家路についたのだった。

 

(たぶん怒濤の3日目へと続くはず)